大切なご家族を亡くされた際に避けて通れないのが遺品整理です。しかし、遺品整理の費用は誰が払うべきなのか、また実際にどのくらいの費用がかかるのかわからず不安を感じる方も多いでしょう。
神戸エリアの遺品整理・不用品回収を行う神戸カイトリサイクルの代表土井が、最新の市場データを基に遺品整理 費用の実情と負担者について詳しく解説いたします。
遺品整理の費用は誰が支払うのか?
基本的には相続人が負担する
遺品整理の費用は原則として相続人が負担します。これは民法に基づく決まりで、故人の遺品を管理する権利と義務を相続人が引き継ぐためです。
相続人が複数いる場合は、相続人全員で費用を分担するのが一般的です。ただし、分担方法については事前に話し合いが必要です。
相続放棄をした場合の扱い
相続放棄の手続きを家庭裁判所で完了させた場合、遺品整理費用を支払う義務はありません。ただし、相続放棄後に遺品に手をつけてしまうと単純承認とみなされる可能性があるため注意が必要です。
- 相続放棄は家庭裁判所への正式な申述が必要
- 相続放棄後は遺品に一切手をつけられない
- 相続財産清算人が選任される場合がある
遺品整理費用の平均相場【2025年最新版】
間取り別の費用相場一覧
2025年の最新データによると、遺品整理の費用相場は以下のようになっています。
間取り | 費用相場 | 作業時間 | 作業員数 |
---|---|---|---|
1R・1K | 3万円~8万円 | 1~3時間 | 1~2名 |
1DK | 5万円~12万円 | 2~4時間 | 2~3名 |
1LDK | 7万円~20万円 | 2~6時間 | 2~4名 |
2DK・2LDK | 12万円~30万円 | 3~8時間 | 3~5名 |
3DK・3LDK | 17万円~50万円 | 4~10時間 | 4~6名 |
4LDK以上 | 22万円~85万円 | 6~15時間 | 5~10名 |
費用の幅が大きいのは、遺品の量や作業内容によって大きく変動するためです。
一軒家とマンションの費用の違い
一軒家の遺品整理費用
一軒家の場合、15万円~70万円程度が一般的な相場となります。広い敷地や複数階にわたる作業が必要なため、以下の要因で費用が上がりやすくなります。
- 庭の物置や倉庫の整理が必要
- 2階からの荷物搬出で追加料金が発生
- 敷地が広く作業範囲が拡大
- 駐車スペースの確保が困難な場合の追加費用
マンションの遺品整理費用
マンションの場合、8万円~50万円程度が相場で、一軒家と比較して費用を抑えやすい傾向があります。
エレベーターの利用で搬出が効率的、作業範囲が限定される、駐車場の確保が容易などの理由により、一軒家より費用を抑えられる場合が多いです。
遺品整理費用に影響する要因
遺品の量と種類
遺品の量が費用を決める最も大きな要因です。同じ間取りでも、物の量によって必要なトラック台数や作業時間が大きく変わります。
- 生活用品の量(衣類、食器、書類など)
- 大型家具・家電の数
- 特殊な処分が必要な品目(仏壇、ピアノなど)
- 買取可能な貴重品の有無
作業環境による追加費用
以下の条件に当てはまる場合、追加料金が発生する可能性があります。
- エレベーターがない建物での上階作業
- トラックが近くに駐車できない立地
- 特殊清掃が必要な状況
- 土日祝日や夜間作業の指定
遺品整理費用を安く抑える5つの方法
1. 事前に自分で整理・仕分けを行う
最も効果的な節約方法は、事前に不用品を自分で処分することです。遺品の量が少なければ少ないほど、作業時間と人員が削減され、費用を大幅に抑えることができます。
2. 複数社から相見積もりを取る
業者によって料金体系が異なるため、最低3社以上から見積もりを取ることをおすすめします。
3. 買取サービスを積極的に活用する
価値のある遺品を買取してもらうことで、実質的な費用負担を軽減できます。
- 貴金属・宝石類
- ブランド品・時計
- 骨董品・美術品
- 家電製品(製造から5年以内)
- 楽器類
4. 自治体の粗大ゴミ回収を併用する
大型家具の一部を自治体の粗大ゴミ回収で処分すれば、処分費用を大幅に節約できます。
5. 繁忙期を避けて依頼する
3月~5月、8月は引っ越しシーズンと重なり料金が高くなる傾向があります。可能であれば6月~7月、10月~2月の時期を狙いましょう。
遺品整理費用の支払い方法と注意点
相続財産からの支出について
遺品整理費用は相続税の控除対象にはなりませんが、相続財産から支払うことは可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。
相続放棄を検討している場合は、相続財産に手をつける前に必ず専門家に相談してください。財産の処分が単純承認とみなされる可能性があります。
複数相続人での費用分担方法
相続人が複数いる場合の一般的な分担方法をご紹介します。
- 相続割合に応じた按分
- 実際の相続額に応じた負担
- 話し合いによる独自の分担
- 一人が立て替えて後から清算
信頼できる遺品整理業者の選び方
確認すべき資格と許可
適正な業者を選ぶために、以下の許可や資格を確認しましょう。
- 一般廃棄物収集運搬業許可
- 古物商許可証
- 遺品整理士認定協会の認定
- 損害保険への加入
見積もり時の注意点
必ず現地での詳細見積もりを依頼し、以下の項目が明記されているか確認してください。
確認項目 | 内容 |
---|---|
作業内容 | 仕分け、梱包、搬出、処分の詳細 |
料金内訳 | 基本料金、処分費、オプション料金 |
作業日数 | 開始から完了までの期間 |
追加料金 | 発生する可能性がある追加費用 |
まとめ:遺品整理費用の適切な準備と対応
遺品整理の費用は相続人が負担するのが原則であり、費用相場は間取りや遺品の量によって3万円から85万円程度と大きく幅があります。一軒家とマンションでは作業環境の違いにより費用差が生じますが、事前の準備と適切な業者選びにより費用を抑えることが可能です。
大切なのは、相続人同士で事前にしっかりと話し合い、費用負担について合意を得ることです。また、複数社からの見積もり取得と、信頼できる業者の選定により、適正価格での遺品整理を実現できるでしょう。
故人への最後のお別れの作業でもある遺品整理を、費用面での不安を抱えることなく、心を込めて進められるよう、この記事の情報をお役立てください。