モバイルバッテリーは不用品回収できる?ほかの選択肢と比較

使わなくなったモバイルバッテリーの処分方法でお悩みではありませんか?

モバイルバッテリーは一般ゴミとして捨てることができず、適切な処分方法を選ぶ必要があります。

今回は不用品回収・買取を行う神戸カイトリサイクルが、モバイルバッテリーの不用品回収をはじめ、無料回収ボックス、自治体回収など、さまざまな処分方法を費用面や利便性で比較しながら詳しく解説します。

2025年の最新情報をもとに、あなたに最適な処分方法が見つかります。

モバイルバッテリーを一般ゴミで捨てられない理由

モバイルバッテリーは、ほとんどの自治体で燃えるゴミや燃えないゴミとして回収することができません。その理由は、内蔵されているリチウムイオン電池が発火や爆発の危険性を持っているからです。

リチウムイオン電池は、衝撃や圧力が加わると発火する可能性があります。実際に、ゴミ収集車やゴミ処理施設での火災事故が2023年度には全国で2万件以上も発生しており、その多くがモバイルバッテリーやリチウムイオン電池を含む小型家電が原因とされています。

ポイント

2026年4月からは、モバイルバッテリー、スマートフォン、加熱式たばこが「指定再資源化製品」に追加され、メーカーや販売事業者に回収とリサイクルが義務付けられます。環境保護とレアメタルの資源回収の観点からも、適切な処分が求められています。

モバイルバッテリーの処分方法を比較

モバイルバッテリーの処分方法には、複数の選択肢があります。それぞれの特徴を表で比較してみましょう。

処分方法 費用 利便性 対応可能な状態
家電量販店の回収ボックス 無料 営業時間内に店舗へ持ち込み 正常品のみ(膨張・破損品は不可)
自治体の回収ボックス 無料 市役所や公共施設に持ち込み 自治体により異なる
自治体の収集サービス 無料 指定日に出すだけ 自治体により異なる
携帯ショップでの回収 無料 店舗へ持ち込み 正常品のみ
不用品回収業者 500~3,000円程度 自宅まで回収に来てくれる 膨張・破損品も対応可能

無料で処分できる方法

家電量販店のJBRC回収ボックスを利用する

最も手軽で確実な無料処分方法が、家電量販店に設置されているJBRC(一般社団法人小型充電式電池リサイクル協会)の回収ボックスです。

主な家電量販店での回収状況は以下の通りです。

  • ヤマダ電機:全店舗にJBRC回収ボックス設置
  • ビックカメラ:家電フロアまたはエレベーター脇に設置
  • ヨドバシカメラ:膨張品も回収可能(店舗により対応が異なる)
  • ケーズデンキ:店頭または専用カウンターに設置
  • ノジマ:店舗に回収ボックス設置
  • エディオン:JBRC協力店として回収実施

ただし、膨張や破損したモバイルバッテリーは、多くの家電量販店で回収対象外となっています。安全上の理由から、正常な状態のモバイルバッテリーのみが対象です。

回収ボックスの利用条件

JBRC回収ボックスでモバイルバッテリーを処分する際は、以下の条件を満たす必要があります。

  • JBRC会員企業製の製品であること
  • 外装に破損や膨張がないこと
  • 水濡れしていないこと
  • 電池の種別やリサイクルマークが確認できること

自治体の回収サービスを利用する

2025年4月に環境省が通知を出したことで、リチウムイオン電池を含むモバイルバッテリーの回収に対応する自治体が増加しています。2023年度時点で全国の約75%の自治体が分別回収を実施しています。

自治体での回収方法には主に2種類あります。

  1. 市役所や区役所に設置された小型家電回収ボックスへの投入
  2. 指定の収集日に不燃ゴミとして分別回収(絶縁処理が必要)

例えば、横浜市では2025年12月1日から小型充電式電池の分別収集を開始しており、膨張・破損したものは各区の資源循環局事務所への持ち込みが必要です。東京都品川区でも2025年4月から膨張したモバイルバッテリーも収集対象としています。

お住まいの自治体のホームページで、最新の回収方法を確認することをおすすめします。

携帯ショップでの回収

ドコモ、au、ソフトバンクなどの携帯電話ショップでも、モバイルバッテリーの回収を行っている店舗があります。ただし、店舗によって対応が異なるため、事前に確認してから持ち込むことをおすすめします。

不用品回収業者に依頼する方法

不用品回収業者のメリット

不用品回収業者を利用する最大のメリットは、自宅まで回収に来てくれる利便性と、膨張・破損したモバイルバッテリーにも対応できる点です。

  • 自宅まで回収に来てくれるため、持ち込む手間がかからない
  • 膨張・破損したモバイルバッテリーも回収可能
  • 他の不用品とまとめて処分できる
  • 即日対応してくれる業者もある
  • 大量のモバイルバッテリーも一度に処分できる

費用相場と注意点

不用品回収業者にモバイルバッテリーの処分を依頼する場合、費用の相場は単品で500~3,000円程度です。ただし、モバイルバッテリー単体では受け付けていない業者もあるため、事前確認が必要です。

他の不用品とまとめて処分する場合は、トラック積み放題プランなどを利用すると効率的です。料金は業者によって異なりますが、一般的には一律33,000円前後からのプランが多く見られます。

信頼できる業者の選び方

不用品回収業者を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 一般廃棄物収集運搬許可を取得しているか
  • 見積もりが明確で追加料金の説明があるか
  • 口コミや評判が良いか
  • 問い合わせ時の対応が丁寧か

膨張したモバイルバッテリーの処分方法

モバイルバッテリーが膨らんでいる場合は、発火や爆発の危険性が非常に高い状態です。速やかに適切な方法で処分する必要があります。

膨張したバッテリーの安全な取り扱い

  1. 使用を直ちに中止する
  2. 強い衝撃や圧力を加えない
  3. 高温になる場所に置かない
  4. 端子部分にテープを貼って絶縁処理をする
  5. 可燃物から離れた場所に保管する

膨張品の処分先

膨張したモバイルバッテリーは、JBRC回収ボックスや多くの家電量販店では回収対象外となります。以下の方法で処分しましょう。

  • 自治体の清掃事務所やごみ減量推進課への持ち込み
  • 自治体の資源循環局事務所への直接持ち込み
  • 膨張品対応可能な不用品回収業者への依頼
  • 一部のヨドバシカメラなど膨張品も受け付ける店舗への持ち込み

自治体によって対応が異なるため、必ずお住まいの自治体のホームページや窓口で確認してください。

モバイルバッテリー処分時の安全対策

絶縁処理の方法

モバイルバッテリーを処分する際は、必ず端子部分に絶縁テープを貼ってショートを防ぐ必要があります。

  1. セロハンテープやビニールテープを用意する
  2. プラス端子とマイナス端子の両方をしっかりと覆う
  3. テープが剥がれないように複数回巻く
  4. 電池の種別やメーカー名が確認できるようにする

絶縁処理をしないまま捨てると、他の金属と接触して発火する恐れがあるため、必ず実施してください。

やってはいけないこと

  • 一般ゴミとして出す
  • 分解する
  • 水に浸す
  • 高温の場所に放置する
  • 強い衝撃を与える
  • 絶縁処理をせずに処分する

各処分方法の選び方

ご自身の状況に合わせて、最適な処分方法を選びましょう。

こんな方におすすめ:無料で処分したい

正常な状態のモバイルバッテリーを無料で処分したい場合は、家電量販店のJBRC回収ボックスが最も手軽です。買い物のついでに立ち寄れる利便性もあります。

こんな方におすすめ:膨張したバッテリーを処分したい

膨張や破損したモバイルバッテリーの処分は、自治体の清掃事務所への持ち込みが基本です。持ち込みが難しい場合は、膨張品対応可能な不用品回収業者への依頼を検討しましょう。

こんな方におすすめ:自宅まで回収に来てほしい

外出が難しい方や、他の不用品もまとめて処分したい方は、不用品回収業者の利用が便利です。費用はかかりますが、手間と時間を大幅に節約できます。

こんな方におすすめ:大量のバッテリーを処分したい

複数個のモバイルバッテリーを一度に処分したい場合は、不用品回収業者のトラック積み放題プランを利用すると効率的です。他の不用品も一緒に処分できるため、引っ越しや大掃除の際に便利です。

まとめ:自分に合った処分方法を選びましょう

モバイルバッテリーは、リチウムイオン電池を含むため一般ゴミとして捨てることができず、適切な処分方法を選ぶ必要があります。無料で処分したい場合は家電量販店の回収ボックスや自治体の回収サービス、手軽さを重視する場合は不用品回収業者の利用がおすすめです。

2026年4月からはメーカーや販売事業者に回収とリサイクルが義務化されるため、今後はさらに処分しやすい環境が整っていくことが期待されます。膨張したモバイルバッテリーは発火の危険性が高いため、見つけたら速やかに適切な方法で処分しましょう。