神戸の廃棄物処理法によるゴミ処理の仕組みやルール

神戸エリアの不用品回収を行う神戸カイトリサイクルの代表土井が、廃棄物処理法に基づく神戸市のゴミ処理システムについて詳しく解説いたします。

廃棄物処理法は、適正なゴミ処理を通じて生活環境の保全と公衆衛生の向上を図る重要な法律です。

神戸市では、この法律に基づいて独自の廃棄物処理システムを構築し、市民の生活環境が守られていると言えるでしょう。

廃棄物処理法の基本的な仕組み

廃棄物の分類と責任体制

廃棄物処理法では、すべての廃棄物を2つの大きな分類に分けて管理しています。この分類は処理責任の所在を明確にする重要な仕組みです。

廃棄物の種類 処理責任者 対象となるゴミ
一般廃棄物 市町村 家庭ごみ、事業系一般廃棄物、し尿
産業廃棄物 排出事業者 20種類の特定廃棄物
ポイント

一般廃棄物の処理は市町村の責務であり、産業廃棄物の処理は排出事業者の責任となります。この責任分担により、適正な廃棄物処理が確保されています。

廃棄物処理法の目的と基本理念

廃棄物処理法は、正式名称を「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」といい、以下の目的を持っています。

  • 生活環境の保全
  • 公衆衛生の向上
  • 廃棄物の適正処理の確保
  • 資源の有効活用促進

廃棄物処理法では「排出者責任」という重要な原則があります。これは、廃棄物を出した人や事業者が最後まで責任を持って適正処理を確保するという考え方です。

神戸市の一般廃棄物処理システム

家庭系ごみの分別と収集ルール

神戸市では、廃棄物処理法に基づいて6分別のごみ処理システムを運用しています。2025年の最新ルールは以下の通りです。

ごみの種類 収集頻度 収集方法
燃えるごみ 週2回 クリーンステーション
缶・びん・ペットボトル 週1回 クリーンステーション
容器包装プラスチック 週1回 クリーンステーション
燃えないごみ 月2回 クリーンステーション
カセットボンベ・スプレー缶 月2回 クリーンステーション
大型ごみ 随時(有料) 事前申込による個別収集

神戸市の処理施設体制

神戸市では、廃棄物処理法の基準に従って以下の処理施設を運営しています。

  • 焼却施設:東クリーンセンター(900t/日)、港島クリーンセンター(600t/日)、西クリーンセンター(600t/日)
  • 破砕施設:布施畑環境センター(300t/日)、港島クリーンセンター(20t/日)
  • 資源化施設:資源リサイクルセンター(90t/日)
  • 最終処分場:布施畑環境センター、淡河環境センター、神戸沖埋立処分場
注目ポイント

神戸市では2030年度から芦屋市との広域処理を開始し、より効率的な廃棄物処理体制を構築します。

事業系廃棄物の処理ルール

事業系一般廃棄物の取り扱い

神戸市内の事業所から出る廃棄物は、廃棄物処理法に基づいて以下のルールで処理されます。

  1. 事業系ごみは3区分(可燃ごみ、粗大不燃ごみ、資源ごみ)に分別
  2. 有料指定袋制度による処理手数料の支払い
  3. 許可業者による収集運搬または自己搬入

事業系廃棄物の処理責任は排出事業者にありますが、一般廃棄物については市町村の処理責務の範囲内で処理が行われます。

産業廃棄物との区分

廃棄物処理法では、事業活動に伴って生じる廃棄物を以下のように区分しています:

廃棄物の性質 分類 処理方法
法定20種類の指定廃棄物 産業廃棄物 排出事業者責任による処理
上記以外の事業廃棄物 事業系一般廃棄物 市町村処理責務(有料)

神戸市の廃棄物減量目標と取り組み

第五次一般廃棄物処理基本計画の目標

神戸市では、廃棄物処理法第6条に基づく一般廃棄物処理基本計画を策定し、2035年度までの目標を設定しています。

神戸市の廃棄物減量目標

2023年度基準年度:716g/人・日 → 2035年度目標:600g/人・日(16%削減)

循環型社会実現への取り組み

神戸市では、廃棄物処理法の理念に沿って以下の取り組みを推進しています。

  • 3R(リデュース・リユース・リサイクル)の徹底推進
  • プラスチック資源循環の促進
  • 食品ロス削減の推進
  • 焼却熱を利用した発電による地産地消エネルギーの活用

適正処理のための罰則と指導

廃棄物処理法の罰則規定

廃棄物処理法では、不適正処理に対して厳しい罰則を定めています。主な違反行為と罰則は以下の通りです。

違反行為 罰則
不法投棄 5年以下の懲役または1000万円以下の罰金
無許可営業 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
委託基準違反 1年以下の懲役または100万円以下の罰金

神戸市では、これらの違反行為を防止するため、パトロール強化や啓発活動を積極的に実施しています。

市民・事業者への指導体制

神戸市では、廃棄物処理法の適正な運用のため、以下の指導・支援を行っています。

  1. ごみ分別方法の周知徹底
  2. 事業系廃棄物の適正処理指導
  3. 不法投棄防止対策の実施
  4. 廃棄物処理業者の許可・監督

まとめ

神戸市の廃棄物処理システムは、廃棄物処理法に基づいて構築された包括的な仕組みです。市民一人ひとりが分別ルールを守り、事業者が適正処理責任を果たすことで、持続可能な循環型社会の実現に貢献できます。

2025年現在、神戸市では人口減少や社会情勢の変化に対応した効率的な廃棄物処理体制の構築を進めており、芦屋市との広域処理開始など、新たな取り組みも始まっています。廃棄物処理法の正しい理解と実践により、美しい神戸の環境を次世代に継承していくことが重要です。

廃棄物の適正処理に関してご不明な点がございましたら、神戸市の各区役所または神戸カイトリサイクルまでお気軽にお問い合わせください。