神戸エリアの不用品回収を行う神戸カイトリサイクルの代表土井が、神戸市における事業系一般廃棄物処理について、法的要件から優良許可業者まで、事業者の皆様が安心して依頼できる情報を詳しく解説いたします。
事業活動に伴って発生する廃棄物の適正処理は、法令遵守の観点からも非常に重要です。
事業系一般廃棄物とは
事業系一般廃棄物とは、事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、産業廃棄物以外のものを指します。具体的には、事務所から出る紙ごみ、飲食店の生ごみ、小売店の商品くずなどが該当します。
神戸市では、事業系一般廃棄物の処理について、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第3条に基づき、排出事業者に処理責任があります。家庭ごみとは異なり、必ず適正な処理が求められます。
神戸市の事業系一般廃棄物処理制度
指定袋制度について
神戸市では、事業系ごみの排出に指定袋制度を採用しています。事業者は、分別区分に応じた専用の指定袋を購入し、その中にごみを入れて排出する必要があります。
区分 | 30L袋価格(10枚組) | 45L袋価格(10枚組) | 70L袋価格(10枚組) |
---|---|---|---|
可燃ごみ | 570円 | 840円 | 1,310円 |
資源ごみ | 190円 | 270円 | 420円 |
粗大(不燃)ごみ | 930円 | 1,380円 | 2,150円 |
収集運搬料金の上限
神戸市では、収集運搬料金の上限を条例で定めています。許可業者は、この上限額以下で料金を設定することになります。
袋サイズ | 収集運搬料金上限 |
---|---|
30L | 96円/袋 |
45L | 144円/袋 |
70L | 224円/袋 |
90L | 288円/袋 |
神戸市の事業系一般廃棄物処理許可業者5選
1. 神港衛生株式会社
神港衛生株式会社は、神戸市内一円の事業系一般廃棄物及び産業廃棄物の収集・分別を行う総合的な廃棄物処理業者です。
- 神戸市許可第10号
- 神戸市長田区苅藻島町2丁目2番11号
- 電話:078-681-8228
- 事業内容:一般廃棄物収集運搬、産業廃棄物処理、リサイクル事業
2. 株式会社マスオカ
昭和41年より神戸市でごみ収集処理営業を開始し、長年にわたる実績と信頼を誇る業者です。循環型社会の構築に向けた適正処理を重視しています。
- 神戸市許可第12号
- 神戸市長田区六番町2丁目1番地の27
- 電話:078-576-7383
- 特徴:法令遵守を柱とした透明な事業運営
3. 株式会社川崎環境開発興業
関西一円を中心に産業廃棄物収集運搬業の許可を取得し、幅広い地域でサービスを提供している業者です。リサイクル工場見学も受け付けています。
- 神戸市許可第3号
- 神戸市中央区脇浜町3丁目2番21号
- 電話:078-251-9103
- 特徴:RPF・リサイクル固形燃料の製造も実施
4. 株式会社河田商会
大本紙料グループの一員として、神戸市内事業所の一般廃棄物収集運搬処理を専門に行う業者です。機密書類の処理にも対応しています。
- 神戸市許可第4号
- 神戸市東灘区向洋町東2丁目4番地
- 電話:078-858-2488
- 特徴:大本紙料グループによる総合的なリサイクル体制
5. 株式会社北神
1963年創業、1971年設立の老舗業者で、神戸市の許可業者として一般廃棄物処理計画に従った適正処理を実施しています。
- 神戸市許可第18号
- 神戸市灘区浜田町1丁目1番22号
- 電話:078-822-8778
- 特徴:迅速・丁寧・サービス精神をモットーとする環境配慮型企業
事業系一般廃棄物処理業者選びのポイント
1. 許可証の確認
最も重要なのは、神戸市から正式に一般廃棄物収集運搬業の許可を取得している業者かどうかの確認です。無許可業者への委託は法令違反となり、排出事業者も処罰の対象となります。
許可証には有効期限があります。現在の神戸市の許可期間は2023年10月1日~2025年9月30日となっています。必ず有効期限内の許可証を確認してください。
2. 料金体系の透明性
神戸市では収集運搬料金の上限が定められているため、料金体系が明確で上限額以下になっているかを確認しましょう。見積書の詳細も重要なチェックポイントです。
3. 適正処理の実施体制
収集した廃棄物が適正に処理されているか、処理フローが明確に説明されているかを確認することが大切です。
- 処理施設の所在地が明確
- 処理方法の詳細説明が可能
- マニフェスト(産業廃棄物の場合)の適正な管理
- 処理報告書の提供
事業系一般廃棄物の処理方法
1. 許可業者への委託
最も一般的な方法で、神戸市許可の収集運搬業者との契約により定期的な収集を依頼します。事業規模に応じて収集頻度を調整できます。
2. 自己搬入
事業者自らが神戸市の処理施設に搬入する方法です。ただし、以下の条件があります。
- 事前の搬入申請が必要
- カセットボンベ・スプレー缶は自己搬入不可
- 指定袋の使用は不要だが、処分手数料の支払いが必要
区分 | 処分手数料 |
---|---|
可燃ごみ | 80円/10kg |
資源ごみ | 40円/10kg |
粗大(不燃)ごみ | 140円/10kg |
適正処理のための法的要件
排出事業者責任
廃棄物処理法第3条により、事業者は自らの責任で適正に処理しなければならないと定められています。これは少量であっても例外はありません。
委託基準の遵守
許可業者に委託する場合、以下の委託基準を満たす必要があります。
- 書面による委託契約の締結
- 委託料金の適正な支払い
- 委託する廃棄物の性状等の事前通知
- 委託先での適正処理の確認
よくある質問と注意点
産業廃棄物との区別
事業活動から発生する廃棄物でも、廃プラスチック類、金属くず、ガラス・陶磁器くずなどは産業廃棄物に該当する場合があります。適切な分別が重要です。
誤った分別による処理は法令違反となる可能性があります。判断に迷う場合は、必ず神戸市環境局業務課(078-595-6185)に事前相談することをお勧めします。
搬入禁止物
神戸市の処理施設には搬入できないものがあります。
- 家電リサイクル法対象品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)
- パソコン(PCリサイクル法対象)
- 危険物・有毒物
- 自動車関連部品
- 産業廃棄物に該当するもの
契約時の確認事項
契約書の必須項目
許可業者と契約を締結する際は、以下の項目を必ず契約書に明記してください。
- 委託する廃棄物の種類と性状
- 収集頻度と収集日時
- 収集運搬料金と支払い条件
- 処分場所と処分方法
- 緊急時の連絡体制
料金の目安
神戸市の事業系一般廃棄物処理における標準的な料金は、可燃ごみで45L袋あたり袋代84円+収集運搬料150円程度が相場となっています。ただし、収集頻度や量によって変動します。
まとめ
神戸市における事業系一般廃棄物処理は、適正な許可業者の選択と法令遵守が最も重要です。今回ご紹介した5社は、いずれも神戸市から正式な許可を取得し、長年にわたって適正処理を実施している信頼できる業者です。
事業者の皆様には、廃棄物の性状を正確に把握し、適切な分別を行った上で、信頼できる許可業者との契約をお勧めいたします。不明な点がございましたら、神戸市環境局や各許可業者に直接お問い合わせください。
適正な廃棄物処理は、環境保護はもちろん、事業の持続可能性にも直結する重要な要素です。コストだけでなく、長期的な信頼関係を築ける業者選びを心がけていただければと思います。