一般廃棄物とは?家庭・事業所で出るゴミの正しい分類と処理方法

一般廃棄物とは何かご存知でしょうか。神戸エリアの不用品回収を行う神戸カイトリサイクルの代表土井が、家庭や事業所から出る廃棄物の中で、産業廃棄物以外のすべての廃棄物について詳しく解説いたします。

適切な分類と処理方法を理解することで、法律遵守はもちろん、環境保護にも貢献できますので、ぜひ参考にしてください。

一般廃棄物とは何か?法的定義と基本概念

一般廃棄物とは、廃棄物処理法において「産業廃棄物以外の廃棄物」として定義されている廃棄物のことです。これは消去法的な定義であり、まず産業廃棄物(事業活動に伴って排出される20種類の特定の廃棄物)を除いたすべての廃棄物が一般廃棄物に分類されます。

ポイント

廃棄物処理法第2条第2項では、一般廃棄物を「産業廃棄物以外の廃棄物」と定義し、その処理責任は市町村にあると明記されています。

一般廃棄物は大きく分けて以下の2つのカテゴリーに分類されます。

  • 家庭系一般廃棄物(家庭ごみ)
  • 事業系一般廃棄物

廃棄物の全体像における一般廃棄物の位置づけ

廃棄物は法的に以下のように分類されています。

分類 内容 処理責任者
一般廃棄物 産業廃棄物以外のすべての廃棄物 市町村
産業廃棄物 事業活動に伴う20種類の特定廃棄物 排出事業者
特別管理一般廃棄物 爆発性、毒性、感染性等を有する一般廃棄物 市町村(厳格な管理が必要)
特別管理産業廃棄物 爆発性、毒性、感染性等を有する産業廃棄物 排出事業者(厳格な管理が必要)

家庭系一般廃棄物の種類と特徴

家庭系一般廃棄物とは、一般家庭の日常生活によって排出される廃棄物のことです。家庭から出るすべてのごみがこれに該当し、自治体によって収集・処理されます。

家庭系一般廃棄物の主な種類

  • 可燃ごみ:生ごみ、紙くず、木くず、衣類、雑誌、新聞紙など
  • 不燃ごみ:食器、ガラス、陶磁器類、フライパン、金属製品、プラスチック製品など
  • 粗大ごみ:家具、食器棚、タンス、自転車など大型の廃棄物
  • 資源ごみ:ペットボトル、缶類、古紙、布類など
  • 有害ごみ:蛍光灯、乾電池、体温計など

家庭系一般廃棄物の処理責任と収集システム

家庭系一般廃棄物の処理責任は市町村にあり、自治体が定めた曜日やルールに従って収集されます。各自治体では「自区内処理の原則」に基づき、その区域内で排出された廃棄物をその区域内で処理することが基本となっています。

事業系一般廃棄物の分類と処理方法

事業系一般廃棄物とは、事業活動に伴って排出される廃棄物のうち、産業廃棄物に該当しないものを指します。オフィスから出る紙ごみや飲食店から出る生ごみなどが代表例です。

事業系一般廃棄物の具体例

  • 事務所から出るもの:コピー用紙、新聞・雑誌、段ボール、シュレッダーごみ
  • 飲食店から出るもの:生ごみ、割り箸、紙おしぼり、食べ残し
  • 商店から出るもの:商品包装紙、レジ袋、商品残り
  • 小売店から出るもの:商品パッケージ、陳列用資材
重要

事業系一般廃棄物は、家庭ごみと異なり、排出事業者自らの責任で適正に処理することが法律で定められています。一般家庭用のごみ集積所に出すことはできません。

事業系一般廃棄物の処理方法

事業系一般廃棄物の処理方法は以下の2つの方法があります。

  1. 一般廃棄物処理業許可業者への委託:自治体の許可を受けた業者に収集運搬と処分を依頼
  2. 事業者による直接搬入:自社で処理施設まで持ち込む

特別管理一般廃棄物について

特別管理一般廃棄物とは、一般廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物のことです。

特別管理一般廃棄物の種類

種類 具体例 注意点
廃家電製品に含まれるPCB使用部品 古いテレビ、冷蔵庫のコンデンサー等 適正な回収ルートでの処理が必要
廃水銀 水銀体温計、蛍光灯、水銀電池等 水銀による環境汚染防止のため厳重管理
ごみ処理施設のばいじん 焼却灰の飛灰等 ダイオキシン等有害物質を含有
感染性一般廃棄物 病院等から出る感染性のあるごみ 感染拡大防止のため特別な処理が必要

特別管理一般廃棄物の処理における注意事項

特別管理一般廃棄物を扱う際は、以下の点に十分注意する必要があります。

  • 種類、数量、性状、荷姿及び取扱い注意事項を処理業者に事前に文書で通知
  • 運搬時の飛散、流出、悪臭の防止措置の実施
  • 適切な容器の使用と表示の徹底
  • 処理業者への確実な引き渡しと記録の保管

一般廃棄物の処理責任と市町村の役割

廃棄物処理法第6条では、市町村が一般廃棄物の処理に関する統括的責任を負うことが明記されています。これは「自区内処理の原則」とも呼ばれ、各市町村が自らの区域内で排出された一般廃棄物を適正に処理する責任があることを意味します。

市町村の主な責務

  1. 一般廃棄物処理計画の策定:区域内の廃棄物処理に関する基本計画の作成
  2. 収集運搬体制の整備:定期的かつ確実な収集システムの構築
  3. 処理施設の設置・管理:焼却場や最終処分場の適切な運営
  4. 住民への啓発活動:分別方法や減量化の指導
  5. 許可業者の監督:一般廃棄物処理業者への指導・監督

自区内処理の原則とその意義

自区内処理の原則は、廃棄物を排出した地域でその処理を完結させることで、以下のような効果を期待しています。

  • 処理責任の明確化
  • 輸送コストの削減
  • 地域住民の環境意識向上
  • 廃棄物の適正管理の確保

一般廃棄物と産業廃棄物の見分け方

一般廃棄物と産業廃棄物を正しく見分けることは、適正処理のために極めて重要です。間違った分類により処理すると法律違反となり、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、又はこれらの併科が科せられる可能性があります。

判断の基準となるポイント

判断項目 一般廃棄物 産業廃棄物
排出場所 家庭、事業所(産廃以外) 事業活動の場
廃棄物の種類 20品目以外のすべて 法定20品目のみ
処理責任 市町村 排出事業者
許可業者 一般廃棄物処理業許可 産業廃棄物処理業許可

具体的な判断例

同じ材質でも排出される場面により分類が変わることがあります。

  • 紙くず:家庭・一般事業所→一般廃棄物、建設業・出版業等→産業廃棄物
  • 木くず:家庭・一般事業所→一般廃棄物、建設業・木材製造業等→産業廃棄物
  • プラスチック類:家庭→一般廃棄物、すべての事業活動→産業廃棄物
  • 金属くず:家庭・一般事業所→一般廃棄物、すべての事業活動→産業廃棄物

適正処理のための実践ポイント

一般廃棄物を適正に処理するためには、以下の実践ポイントを押さえることが重要です。

家庭での取り組み

  • 分別の徹底:自治体のルールに従った正確な分別の実施
  • 減量化の推進:食品ロスの削減や修理・リユースの促進
  • 適正排出:指定日時・場所での排出の遵守
  • 有害ごみの注意:電池類や蛍光灯の適切な分別

事業所での取り組み

事業者必須チェック項目

事業系廃棄物は家庭ごみ集積所に出すことは法律で禁止されています。必ず許可業者への委託または自己搬入により適正処理してください。

  1. 廃棄物の種類確認:一般廃棄物と産業廃棄物の正確な分類
  2. 許可業者の選定:一般廃棄物処理業許可を有する業者との契約
  3. 契約書の作成:処理内容、料金、責任範囲の明文化
  4. 処理状況の確認:適正処理が行われているかの定期的な確認
  5. 記録の保管:処理委託に関する書類の適切な管理

まとめ:一般廃棄物の適正管理で環境保護を

一般廃棄物とは、産業廃棄物以外のすべての廃棄物を指し、家庭系と事業系に大別されます。処理責任は市町村にありますが、事業系については排出事業者が自ら適正処理する責任があります。

特に重要なのは、廃棄物の正しい分類と適正な処理方法の選択です。間違った処理は法律違反となるだけでなく、環境汚染の原因にもなりかねません。

私たち神戸カイトリサイクルでは、神戸エリアでの一般廃棄物処理についてのご相談を承っております。適正処理でお困りの際は、専門知識を持つ当社にお任せください。一人ひとりが適正処理を心がけることで、持続可能な社会の実現に貢献していきましょう。